2016年6月24日金曜日

ガレノス『ティマイオス敷衍』(5)

V―それから彼は時間の本性について語り、こう言った:「創造主は惑星の星々とすべての天球の一巡を定めた。つまり、夜と昼はともに天球の運動によって生じ、ひと月は月が一巡して、自らの天球を横切り太陽に追いたときに生じる。一年は太陽がその天球を横切ることによって生じる。」(39c)それから彼は言った:「あらゆる惑星は独自の運動をもっており、多くの人たちはそれに気付いていない。しかしこれらの一巡はすべて、完全年(al-sanah al-tāmmah)の完成というひとつの目的のためである。」(39c–d)
 ティマイオスはこの後に、こう言う:「動物には四つの種類があり、ひとつ目は天上のもの(al-samā’ī)、ふたつ目は飛んでいるもの(al-ṭayyār)、三つ目は水に棲み泳ぐもの、四つ目は大地の表面を歩くものである。創造主は天上のものの姿の大部分を火で作り、その〈理解力〉をもっとも強い一巡のうちに置いた。天上のもののあらゆる者は、自らによって運動する。大地は世界の中心に置かれた。天球のなかには、天球での現れ方の似ているべつの星々がある。」(40a–d)この文章で示されているのが、ある時に現れ、それから消え去る星々なのは明らかである。我々はそういった星を何度も見たことがあり、ヒッパルコス(ibarkhus)がその著作で、またほかの占星術師も述べている。

(4) (6)

*底本はKrausとWalzerの校訂版。
あくまでも私訳のため、その点をご了承願います。逐語訳よりも、日本語としての読みやすさを優先してあります。また、随時更新する可能性有り。

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